BBRに見るSHINJO効果
2006年 05月 17日
ドリームベースボール
「これからの鍵を握るダルビッシュ」
SHINJOの引退宣言は「優勝目指して一丸となる」きっかけになると思いました。
実際際立って選手のBBRや打率、防御率が上がったわけではないのでしょうが、
勝ちにつながるようになったということはまんざらじゃないのですね。
今年の優勝はファイターズ
今から呪文のように言い続けます。
スターの最後の輝きにふさわしいシーズンになるはずです。
>◇これぞ新庄劇場?躍進の日本ハム!
混戦が続くパリーグ。
交流戦に入ってもその傾向はしばらく続きそうです。
そうした中、このところ好調なのが日本ハム。
一時は、21世紀に入って初めてリーグのトップに立つなどチーム状況はすこぶる快調です!
ところで、日本ハムと言えば、今季話題になったのが新庄選手の引退宣言。
この引退宣言の後にチームの調子が上がっているような気もがするから不思議です。
勝星だけでみると、引退宣言前が9勝9敗。宣言後から5月14日までが14勝9敗ですから、確かに宣言効果?はあるように思えます。
そのように考えると、引退宣言がチームに与えた影響こそが、新庄劇場なのかもしれません。
実際に、引退宣言前後で、日本ハムの成績がどのように変化したのか?
早速分析してみましょう!
◇野手の変化
引退宣言前の試合が4月16日のソフトバンク戦。
そこまでの選手の成績と、引退宣言をした4月18日のオリックス戦以後の成績を、中心となるプレーヤーごとに見ていきましょう。
※宣言前3/25~4/16
※宣言後4/18~5/14
森本選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 61.6 .283 16 53 3 15 0 5 10 5 5 2
宣言後 67.9 .298 23 84 17 25 4 9 19 9 4 2
小笠原選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 66.5 .343 18 67 9 23 2 8 12 9 1 1
宣言後 67.5 .274 23 84 8 23 2 13 13 14 1 0
セギノール選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 60.8 .257 18 70 9 18 3 9 21 5 1 0
宣言後 59.3 .211 22 76 5 16 2 8 21 11 1 0
稲葉選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 65.0 .333 18 69 10 23 2 6 11 6 0 1
宣言後 60.7 .227 23 75 10 17 4 12 10 4 4 1
マシーアス選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 61.6 .273 16 66 5 18 1 8 6 4 1 1
宣言後 59.2 .213 21 75 8 16 1 7 13 5 4 2
新庄選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 55.4 .176 15 51 7 9 1 4 11 4 2 0
宣言後 61.0 .239 20 71 8 17 5 3 10 6 1 1
BBRを見ると、宣言前後で成績が上がっているのは、森本選手、小笠原選手、新庄選手。
一方、下がっているのがセギノール選手、稲葉選手、マシーアス選手。完全に二分された感があります。
ただし、小笠原選手、セギノール選手、マシーアス選手は、変動はありますがその幅が小さいため、宣言前後でそれほど違っていないと考えることもできるでしょう。
中心選手の中では、大幅に上がったのが森本選手と新庄選手。大幅に下がったのが稲葉選手、という見方をすることができます。
しかし、スタッツを中心に見ると、大幅に打率が上がったのは新庄選手ぐらいで、その他の選手は軒並み打率を落としています(森本選手のみほぼ横ばい)。
これでは、今ひとつはっきりした相関関係が見えてきません。
この状況を分析するためのキーは実は森本選手にありました。
宣言前後でそれほど打率が変わっていない森本選手ですが、BBRは大幅にアップしています。
これは、宣言後にトップバッターとして起用されるケースが多くなったことが関係しています。
宣言前はマシーアス選手あたりをトップバッターとして使っていましたが、これがうまく機能していませんでした。宣言前のマシーアス選手の得点の少なさが、それを示しています。
ところが、森本選手がトップバッターに起用されるようになると、それに伴って得点なども大幅に増えてきます。
明らかに、日本ハムというチームのトップバッターとして森本選手が合っていたのです。
もちろん、トップバッターだけで勝星は増えませんが、打順の組み替えがチームの打線のつながりを生むというケースがあります。
その意味で、森本選手をトップに置いたことで、日本ハムの打線に勢いが出てきたことは間違いありません。
新庄選手については、宣言後間違いなく数字は上がっています。その前調子が悪すぎたこともありますが、個人的にも「新庄劇場」を予感させる活躍が少しずつできるようになっています。
新庄選手らしい活躍が頻繁に見られるようになれば、現在のチーム状態から考えて、最後まで上位を争うことは不可能ではないでしょう。
ぜひ、自らの手で「新庄劇場」を見せてもらいたいものです。
◇先発投手の変化
次に、成長著しいと言われる、先発投手陣の中心選手の宣言前後を比べてみましょう。
※宣言前3/25~4/16
※宣言後4/18~5/14
※回数の0.1は1/3回、0.2は2/3回を意味します。
八木投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 73.9 2.37 3 1 1 19.0 12 1 13 9 5 5
宣言後 80.3 1.69 4 3 1 32.0 23 2 23 4 7 6
江尻投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 73.9 2.37 3 1 1 19.0 12 1 13 9 5 5
宣言後 71.7 3.13 5 3 1 31.6 32 2 16 5 11 11
ダルビッシュ有投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 73.9 2.37 3 1 1 19.0 12 1 13 9 5 5
宣言後 40.9 3.91 5 0 2 25.1 30 4 15 13 13 11
金村投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 63.9 5.06 4 2 1 21.1 28 0 8 9 12 12
宣言後 78.9 2.40 2 1 0 15.0 14 1 9 1 4 4
今年の新人王候補のトップをオリックス平野投手と争っている八木投手が、抜群の安定感を見せています。
宣言前BBR平均73.9は、突出した成績ではありませんが、新人としては見事なものです。
宣言後の4試合での80.3の平均はすでに「一流投手の仲間入りをした」と言って過言ではない成績です。
既に今年の日本ハム投手陣の柱として重要な存在である八木投手。
新人ですから、夏場のスタミナなど心配な要素もありますが、現在の安定感から考えると大崩れはしないように見えます。
しかし、その他の先発投手陣を見ると、ダルビッシュ投手が宣言後に1勝もできないなど、まだまだ状況がいいとは言い切れません。江尻投手も宣言後に3勝を挙げてはいますが、防御率・BBRともに低下するなど、決して内容的にはいいとは言えない状況です。
また金村投手も暴行事件後の休養から復帰しましたが、まだ登板数が少なく今後どうなるとは予想がしにくい状態です。
このように見てくると、八木投手以外の先発投手は、混乱のパ・リーグを制するためにもう少し頑張る必要があると思われます。
それでも、最近の日本ハムを見るかぎり、先発投手がゲームを壊していません。
巨人が西武に3連敗した例でもわかるように、先発投手が崩壊してしまうとそれまで好調だったチームでも、突然勝てなくなってしまいます。
完全な状態とは言えないまでも、先発投手がなんとか踏ん張って「ゲームを作っている」というのが今の日本ハムです。
そうした中、宣言後にのみ投げている先発投手がいます。
それが橋本投手です。
橋本投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言後 70.5 2.00 4 2 1 27.0 23 2 6 7 9 6
防御率も2点台の橋本投手によって日本ハム投手陣は安定しました。
その意味では、宣言後の日本ハムの好調さを支えている一つの要素は、橋本投手の存在だということになるでしょう。
◇救援投手の変化
最後に救援投手について見ておきましょう。
※宣言前3/25~4/16
※宣言後4/18~5/14
※回数の0.1は1/3回、0.2は2/3回を意味します。
武田久投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 75.5 0.64 10 1 0 0 14.0 7 0 12 0 1 1
宣言後 76.6 1.06 14 1 0 3 17.0 14 1 15 1 2 2
建山投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 67.6 0.84 10 0 0 0 10.6 8 1 8 2 2 1
宣言後 64.2 3.09 12 1 2 0 11.6 12 0 6 5 4 4
トーマス投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 51.3 7.11 6 0 0 0 6.1 10 0 5 4 5 5
宣言後 66.8 5.06 8 0 0 1 5.1 5 0 1 2 3 3
MICHEAL投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 69.6 2.16 9 0 0 5 8.1 6 1 8 4 2 2
宣言後 68.1 3.18 11 1 0 5 11.1 14 0 13 8 4 4
以前このブログで取り上げた武田久投手は、『宣言』に関わりなく、その調子は安定しています。
31回を投げて四死球が1という抜群の安定感は日本ハム投手陣を非常に力強く支えています。
その他の救援投手について見てみると、宣言後に調子を上げているはトーマス投手ですが、「その前が悪すぎただけ」という見方もできます。宣言後の防御率5点台を見ても、決してまだまだよい状態とは言えません。
やはり、武田久、建山、MICHEALの3投手が踏ん張って、日本ハムは中後半のゲームをうまく作っているということになります。
◇宣言の効果
野手については、調子自体が大幅に上がっている選手はそれほどおらず、打順の組み換えによって打線のつながりが出てきたことが宣言後の特徴でした。日本ハムが零封されたのは3試合だけですから、得点力も安定しているといえます。
先発投手は、宣言後に調子を上げた八木投手と、宣言後にチャンスをもらって健闘している橋本投手の頑張り。そして、江尻投手のように、ある程度打たれながらも試合を作れる先発投手の存在。
救援投手は、宣言前後変わることなく、しっかり抑えられる安定度があります。
中でも、先発投手と救援投手のバランスが非常によいことが目立ちます。防御率が12球団で1位をマークしたのも、誰か1人の活躍ではなく、全ての投手が自分の役割を果たしていることを意味しているのでしょう。
一つ一つのことはそれほど宣言前後で変わってはいないのですが、それが有機的に繋がったことで、宣言前5割だった勝率を、6割4分まで押し上げたということが分かります。
野球と言うのは繊細なスポーツです。ちょっとしたことの積み重ねが、勝てるチームを作ることになります。
「新庄の引退宣言」がもたらしたもの、それはもしかすると「チームがまとまってバランスがよくなる」という効果だったのかもしれません。
◇今後の鍵を握るのは・・・
日本ハムの勝ちパターンを考えると、次のようになります。
先発投手が、5回を3失点程度には必ず抑えます。そして、打線はチャンスを確実に点に結びつけ、リードもしくは、同点で中盤を迎えます。
ここから、日本ハム自慢の救援陣が出てきます。
武田久、建山、そして、最後はMICHEALに繋ぐリレーで逃げ切るのです。
このパターンが可能である限り、混戦を抜け出すまでは行かなくても、トップを争うような戦いはできるでしょう。
ところで、このパターンを成立させるためには、先発投手が試合を壊さないことが最大のポイントとなります。
予想という意味でキーになるのは、ダルビッシュ有投手になるでしょう。
ハイレベルの投球ができている八木投手、安定度がある江尻投手、売り出し中の橋本投手と、計算ができる投手が3人はいます。
金村投手はもう少し様子を見る必要はあると思いますが、エースとしての実績もあるので期待は十分に持てます。
その中で、一番心配なのはダルビッシュ投手です。
調子のよい試合で見せる素晴らしい投球が、調子が悪い試合ではまったく見られず、大量失点もあります。
今は八木投手、橋本投手の調子がいいので、ダルビッシュ投手が負けていてもそれほど影響が出ていませんが、八木、橋本投手が調子を落としてくると、先発投手陣はガタガタになる可能性があります。
そのような場合には、金村、江尻、ダルビッシュの3投手の頑張りが必要になるでしょう。
長いペナントレースを勝ち抜く上では、絶対に必要になってくる投手ですから、奮起を期待したいと思います。
「これからの鍵を握るダルビッシュ」
SHINJOの引退宣言は「優勝目指して一丸となる」きっかけになると思いました。
実際際立って選手のBBRや打率、防御率が上がったわけではないのでしょうが、
勝ちにつながるようになったということはまんざらじゃないのですね。
今年の優勝はファイターズ
今から呪文のように言い続けます。
スターの最後の輝きにふさわしいシーズンになるはずです。
>◇これぞ新庄劇場?躍進の日本ハム!
混戦が続くパリーグ。
交流戦に入ってもその傾向はしばらく続きそうです。
そうした中、このところ好調なのが日本ハム。
一時は、21世紀に入って初めてリーグのトップに立つなどチーム状況はすこぶる快調です!
ところで、日本ハムと言えば、今季話題になったのが新庄選手の引退宣言。
この引退宣言の後にチームの調子が上がっているような気もがするから不思議です。
勝星だけでみると、引退宣言前が9勝9敗。宣言後から5月14日までが14勝9敗ですから、確かに宣言効果?はあるように思えます。
そのように考えると、引退宣言がチームに与えた影響こそが、新庄劇場なのかもしれません。
実際に、引退宣言前後で、日本ハムの成績がどのように変化したのか?
早速分析してみましょう!
◇野手の変化
引退宣言前の試合が4月16日のソフトバンク戦。
そこまでの選手の成績と、引退宣言をした4月18日のオリックス戦以後の成績を、中心となるプレーヤーごとに見ていきましょう。
※宣言前3/25~4/16
※宣言後4/18~5/14
森本選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 61.6 .283 16 53 3 15 0 5 10 5 5 2
宣言後 67.9 .298 23 84 17 25 4 9 19 9 4 2
小笠原選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 66.5 .343 18 67 9 23 2 8 12 9 1 1
宣言後 67.5 .274 23 84 8 23 2 13 13 14 1 0
セギノール選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 60.8 .257 18 70 9 18 3 9 21 5 1 0
宣言後 59.3 .211 22 76 5 16 2 8 21 11 1 0
稲葉選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 65.0 .333 18 69 10 23 2 6 11 6 0 1
宣言後 60.7 .227 23 75 10 17 4 12 10 4 4 1
マシーアス選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 61.6 .273 16 66 5 18 1 8 6 4 1 1
宣言後 59.2 .213 21 75 8 16 1 7 13 5 4 2
新庄選手
BBR 打率 試合 打数 得点 安打 HR 打点 三振 四死 犠打 盗塁
宣言前 55.4 .176 15 51 7 9 1 4 11 4 2 0
宣言後 61.0 .239 20 71 8 17 5 3 10 6 1 1
BBRを見ると、宣言前後で成績が上がっているのは、森本選手、小笠原選手、新庄選手。
一方、下がっているのがセギノール選手、稲葉選手、マシーアス選手。完全に二分された感があります。
ただし、小笠原選手、セギノール選手、マシーアス選手は、変動はありますがその幅が小さいため、宣言前後でそれほど違っていないと考えることもできるでしょう。
中心選手の中では、大幅に上がったのが森本選手と新庄選手。大幅に下がったのが稲葉選手、という見方をすることができます。
しかし、スタッツを中心に見ると、大幅に打率が上がったのは新庄選手ぐらいで、その他の選手は軒並み打率を落としています(森本選手のみほぼ横ばい)。
これでは、今ひとつはっきりした相関関係が見えてきません。
この状況を分析するためのキーは実は森本選手にありました。
宣言前後でそれほど打率が変わっていない森本選手ですが、BBRは大幅にアップしています。
これは、宣言後にトップバッターとして起用されるケースが多くなったことが関係しています。
宣言前はマシーアス選手あたりをトップバッターとして使っていましたが、これがうまく機能していませんでした。宣言前のマシーアス選手の得点の少なさが、それを示しています。
ところが、森本選手がトップバッターに起用されるようになると、それに伴って得点なども大幅に増えてきます。
明らかに、日本ハムというチームのトップバッターとして森本選手が合っていたのです。
もちろん、トップバッターだけで勝星は増えませんが、打順の組み替えがチームの打線のつながりを生むというケースがあります。
その意味で、森本選手をトップに置いたことで、日本ハムの打線に勢いが出てきたことは間違いありません。
新庄選手については、宣言後間違いなく数字は上がっています。その前調子が悪すぎたこともありますが、個人的にも「新庄劇場」を予感させる活躍が少しずつできるようになっています。
新庄選手らしい活躍が頻繁に見られるようになれば、現在のチーム状態から考えて、最後まで上位を争うことは不可能ではないでしょう。
ぜひ、自らの手で「新庄劇場」を見せてもらいたいものです。
◇先発投手の変化
次に、成長著しいと言われる、先発投手陣の中心選手の宣言前後を比べてみましょう。
※宣言前3/25~4/16
※宣言後4/18~5/14
※回数の0.1は1/3回、0.2は2/3回を意味します。
八木投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 73.9 2.37 3 1 1 19.0 12 1 13 9 5 5
宣言後 80.3 1.69 4 3 1 32.0 23 2 23 4 7 6
江尻投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 73.9 2.37 3 1 1 19.0 12 1 13 9 5 5
宣言後 71.7 3.13 5 3 1 31.6 32 2 16 5 11 11
ダルビッシュ有投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 73.9 2.37 3 1 1 19.0 12 1 13 9 5 5
宣言後 40.9 3.91 5 0 2 25.1 30 4 15 13 13 11
金村投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 63.9 5.06 4 2 1 21.1 28 0 8 9 12 12
宣言後 78.9 2.40 2 1 0 15.0 14 1 9 1 4 4
今年の新人王候補のトップをオリックス平野投手と争っている八木投手が、抜群の安定感を見せています。
宣言前BBR平均73.9は、突出した成績ではありませんが、新人としては見事なものです。
宣言後の4試合での80.3の平均はすでに「一流投手の仲間入りをした」と言って過言ではない成績です。
既に今年の日本ハム投手陣の柱として重要な存在である八木投手。
新人ですから、夏場のスタミナなど心配な要素もありますが、現在の安定感から考えると大崩れはしないように見えます。
しかし、その他の先発投手陣を見ると、ダルビッシュ投手が宣言後に1勝もできないなど、まだまだ状況がいいとは言い切れません。江尻投手も宣言後に3勝を挙げてはいますが、防御率・BBRともに低下するなど、決して内容的にはいいとは言えない状況です。
また金村投手も暴行事件後の休養から復帰しましたが、まだ登板数が少なく今後どうなるとは予想がしにくい状態です。
このように見てくると、八木投手以外の先発投手は、混乱のパ・リーグを制するためにもう少し頑張る必要があると思われます。
それでも、最近の日本ハムを見るかぎり、先発投手がゲームを壊していません。
巨人が西武に3連敗した例でもわかるように、先発投手が崩壊してしまうとそれまで好調だったチームでも、突然勝てなくなってしまいます。
完全な状態とは言えないまでも、先発投手がなんとか踏ん張って「ゲームを作っている」というのが今の日本ハムです。
そうした中、宣言後にのみ投げている先発投手がいます。
それが橋本投手です。
橋本投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言後 70.5 2.00 4 2 1 27.0 23 2 6 7 9 6
防御率も2点台の橋本投手によって日本ハム投手陣は安定しました。
その意味では、宣言後の日本ハムの好調さを支えている一つの要素は、橋本投手の存在だということになるでしょう。
◇救援投手の変化
最後に救援投手について見ておきましょう。
※宣言前3/25~4/16
※宣言後4/18~5/14
※回数の0.1は1/3回、0.2は2/3回を意味します。
武田久投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 75.5 0.64 10 1 0 0 14.0 7 0 12 0 1 1
宣言後 76.6 1.06 14 1 0 3 17.0 14 1 15 1 2 2
建山投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 67.6 0.84 10 0 0 0 10.6 8 1 8 2 2 1
宣言後 64.2 3.09 12 1 2 0 11.6 12 0 6 5 4 4
トーマス投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 51.3 7.11 6 0 0 0 6.1 10 0 5 4 5 5
宣言後 66.8 5.06 8 0 0 1 5.1 5 0 1 2 3 3
MICHEAL投手
BBR 防御 試合 勝利 敗戦 セーブ 回数 安打 被本 三振 四死 失点 責
宣言前 69.6 2.16 9 0 0 5 8.1 6 1 8 4 2 2
宣言後 68.1 3.18 11 1 0 5 11.1 14 0 13 8 4 4
以前このブログで取り上げた武田久投手は、『宣言』に関わりなく、その調子は安定しています。
31回を投げて四死球が1という抜群の安定感は日本ハム投手陣を非常に力強く支えています。
その他の救援投手について見てみると、宣言後に調子を上げているはトーマス投手ですが、「その前が悪すぎただけ」という見方もできます。宣言後の防御率5点台を見ても、決してまだまだよい状態とは言えません。
やはり、武田久、建山、MICHEALの3投手が踏ん張って、日本ハムは中後半のゲームをうまく作っているということになります。
◇宣言の効果
野手については、調子自体が大幅に上がっている選手はそれほどおらず、打順の組み換えによって打線のつながりが出てきたことが宣言後の特徴でした。日本ハムが零封されたのは3試合だけですから、得点力も安定しているといえます。
先発投手は、宣言後に調子を上げた八木投手と、宣言後にチャンスをもらって健闘している橋本投手の頑張り。そして、江尻投手のように、ある程度打たれながらも試合を作れる先発投手の存在。
救援投手は、宣言前後変わることなく、しっかり抑えられる安定度があります。
中でも、先発投手と救援投手のバランスが非常によいことが目立ちます。防御率が12球団で1位をマークしたのも、誰か1人の活躍ではなく、全ての投手が自分の役割を果たしていることを意味しているのでしょう。
一つ一つのことはそれほど宣言前後で変わってはいないのですが、それが有機的に繋がったことで、宣言前5割だった勝率を、6割4分まで押し上げたということが分かります。
野球と言うのは繊細なスポーツです。ちょっとしたことの積み重ねが、勝てるチームを作ることになります。
「新庄の引退宣言」がもたらしたもの、それはもしかすると「チームがまとまってバランスがよくなる」という効果だったのかもしれません。
◇今後の鍵を握るのは・・・
日本ハムの勝ちパターンを考えると、次のようになります。
先発投手が、5回を3失点程度には必ず抑えます。そして、打線はチャンスを確実に点に結びつけ、リードもしくは、同点で中盤を迎えます。
ここから、日本ハム自慢の救援陣が出てきます。
武田久、建山、そして、最後はMICHEALに繋ぐリレーで逃げ切るのです。
このパターンが可能である限り、混戦を抜け出すまでは行かなくても、トップを争うような戦いはできるでしょう。
ところで、このパターンを成立させるためには、先発投手が試合を壊さないことが最大のポイントとなります。
予想という意味でキーになるのは、ダルビッシュ有投手になるでしょう。
ハイレベルの投球ができている八木投手、安定度がある江尻投手、売り出し中の橋本投手と、計算ができる投手が3人はいます。
金村投手はもう少し様子を見る必要はあると思いますが、エースとしての実績もあるので期待は十分に持てます。
その中で、一番心配なのはダルビッシュ投手です。
調子のよい試合で見せる素晴らしい投球が、調子が悪い試合ではまったく見られず、大量失点もあります。
今は八木投手、橋本投手の調子がいいので、ダルビッシュ投手が負けていてもそれほど影響が出ていませんが、八木、橋本投手が調子を落としてくると、先発投手陣はガタガタになる可能性があります。
そのような場合には、金村、江尻、ダルビッシュの3投手の頑張りが必要になるでしょう。
長いペナントレースを勝ち抜く上では、絶対に必要になってくる投手ですから、奮起を期待したいと思います。
by taka0030027
| 2006-05-17 22:38
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